この食事は私を太らせる?

ー多くの女子は食べるとすぐに太ってしまうと思い込んでいるー

最近、私は若い女性たちの間で繰り返し話題に上がる心配ごとをよく耳にします。

多くの女性が私に言うのが「食べちゃったらもうおしまいですよね」ということ。

女性たちは「お腹の中に食べ物が入ってると、それがぽっこりと太って見えてしまう」ですとか、「食べたあとはお腹が減ってる時よりも太って見える」などと考えていて、1日の食事をできるだけ我慢しているようです。

彼女たちは実際に、特に人前ではなるべく食べないようにしています。

なぜなら、もし何か食べてしまうと、周りの人たちがすぐに(体型の)違いに気づいてしまうと思っているからです。

満腹感があるほど食べてしまうと、太って見えてしまうと信じているのです。

何かを食べるたびに体重が増えると思い込んでいるようです。

私はなぜ近頃の女の子たちが、このような考えを持つようになったのか不思議でした。

なぜ彼女たちは、満腹感=太っていると考えていて、全ての食事が太っている外見につながると思い込んでしまっているのでしょうか?

摂食障害と診断された人の中には、食べ物への恐怖や、体重が増える事への恐怖など、歪んだ考え方をしてしまう人もいますが、一緒に働いている若い女性たち(みんな摂食障害ではありません)でも、そのような考え方をはっきりとしている人がいて驚きました。

このように考えてしまう背景には何があるのでしょうか?

痩せて美しくいなくてはいけないという女性たちへのプレッシャーは、今に始まったことではありません。

他人からどう見られているのかを気にする事は、以前から解決の難しい問題でした。

しかしおそらく以前までと違うのは、これまでのプレッシャーに加えて、「健康」や「体調管理」のために、極端な食事制限などを賛美する社会的メッセージが多く叫ばれるようになったからではないでしょうか。

思春期の女の子や若い女性たちの多くがSNSを利用していて、そのようなメッセージに広く触れる機会がありますよね。

例えば、インスタグラムでトレンドの#fitspirationというものでは、インフルエンサーが減量の旅の写真や、”ビフォアー”&”アフター”の写真、入念に撮られた(そして修正された)セルフィーや、理想の体を手に入れる秘訣などを投稿し、フォロワーたちにインスピレーションを与えています。

驚くことではないですが、これらの画像を見ることで、身体的なネガティブなイメージと関連づけてしまうという事が最近の研究で言及されています。

#fitspirationは何年か前から女の子に人気でしたが、これらのアカウントは、#IntermittentFasting(断続的な断食)や、#Fasting(断食)、#WaterFast(水だけ飲む断食)などの新たなトレンドを生み出すことにもなっています。

多くの人におなじみで、たくさんの大人たちも行ってきた「断続的な断食」ですが、結果は人それぞれです。

やっかいなのは、この「断続的」という言葉の部分が多くの女性たちに無視されており、それにより、#Fasting が疑問視される結果となっています。

インスタグラムをざっと見ただけでも、連続して何時間断食できたかを自慢するような投稿が何百件もありました。

1日に何時間運動したか、どれくらいの距離を走ったかを投稿する人がいるように、最近では、何時間断食をしたかを投稿する事が流行りのようです。

このような投稿のためのアプリやプログラム(例:「トータル断食時間」=23時間と10分!」など。)もあります。

また、#Waterfast チャレンジでは、インフルエンサーが30日間何も食べずに水だけで過ごすというものもあり、アカウントには、食事をしないというゴールへ向けてがんばるよう応援しているコメントがたくさん寄せられています。

何が害なのか?

たとえ「健康」や「断食」という名前がついていても、極端なダイエットは体の危険となる場合があります。

思春期の女の子や若い女性が、必要な栄養を補うための十分なエネルギーを消費していないと、うつ病や疲労、怒りやすい、集中できない、などの症状が出る場合があります。

しかしもっと心配なのは、ダイエットによって摂食障害を引き起こす可能性が最も増えてしまうということです。

極端なダイエットをしている若者は、ダイエットをしていない若者に比べて、摂食障害を起こす可能性が18倍も高く、適切なダイエットをしている若者でさえも、5倍も可能性が上がるという研究結果もあります。

したがって、このような「健康」のトレンドは、実際には身体的や精神的な健康被害につながる危険もあるのだという事を知り、大人も注意をして気にかけてあげる必要があるのです。

どんな事を気にかけてあげるべき?

・どんなアカウントをフォローしているのかをチェックしてみましょう。

#Fasting や #Fitspiration のアカウントをフォローしていますか?

そのアカウントでインフルエンサーは、極端なダイエットや長時間の食事制限、過度な運動やダイエットについてどんな事を教えているでしょうか?

そしてそのインフルエンサーは、「健康」について極端な考えを持っていませんか?

「食べる事」「体重」「外見」に関してバランスの取れた考えを表していますか?

それとも達成できないような、とてつもなく痩せ型の体型を支持していませんか?

・事実を教えてあげましょう

あなたが若い女性たちと一緒に働いているなら、満腹感と「太った気がする」ことは違うことなのだと理解させてあげましょう。

食後に感じる満腹感は自然なことで、ほんの一時のものですが、体重増加の目安となるものではないという事を教えてあげましょう。

それ(満腹感)は彼女が他人からどう見えるのかとは関係ありません。

身体的な感覚と、役に立たなく根拠のない考え方は無関係だという事を教えるために、こんな質問をしてみてください。

「あなたの友人が食べ物をたくさん食べた後に、満腹感を感じていたとして、あなたは見ただけでそれがわかる?友人が食事をしているのを見た後、すぐに太ったように見える?食事をする前との体型の違いがわかる?」

・マイナス思考を変えてあげましょう

こんな考え方を彼女に植えつけてあげましょう。

「お腹いっぱいだからって太っているわけじゃありません。私が食べた事も、お腹いっぱいな事も誰も気付きません。気分良く過ごすためにも、きちんと物事を考えるためにも、実際に燃料となる食べ物が必要なんです。食べることが成功につながる事はあっても、失敗につながる事はないのです。」

パンデミック中に体重が増加?

ー慢性的なストレスによる体重増加による影響は男女間で異なるー

感染症にともなうウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、世界中に慢性的なストレスを広めています。

命にかかわる病気にかかるかもしれないという恐怖。

大切な人を失う、職を失う、社会的に隔離されるという苦しみは、多くの人にとって経験したことがないため、今や日々の主要なストレスとなっています。

慢性的なストレスが脳や身体に及ぼす影響は、深刻で複雑です。

ストレスにより痩せることもある一方で、あまり知られていませんが、慢性的なストレスにより体重が増加することもあります。

驚くべきことに、最新の研究によると、男性と女性では、ストレスによる体重増加の影響が異なるということです。

私たちが「ストレス」と呼ぶのは、精神や身体が、極度の危険にさらされていると脳が判断した時に生み出される、大きな苦痛を伴う感情のことです。

体は、差し迫っている危険に備えて、高い危機感を植え付け全ての機能のテンションをあげます。

脳の無意識的な部分の奥深く、視床下部にあるニューロン(という神経細胞)は、脈拍を決めたり、血圧を高めたり、筋肉の動きを活性化させたり、生きる為に必要な全てのシステムを動かす、化学的な神経のシグナルを自動的に送り出しています。

ストレスホルモン(グルココルチコイド)は、体の全ての部分を強くさせる為に血流を溢れさせ、その効果は広い範囲に効果をもたらします。

他の車を追い越す時に、エンジンが限界まで回転速度を上げるように、この、ストレスに対する反応は体を極限まで押し上げて、危険から守りますが、その状態が長く続くと、体はダメージを受けます。

ちょうど今回のパンデミックが始まった時に、人々が食糧を蓄え、スーパーマーケットの棚が空っぽになってしまったように、ストレスホルモンは、脂肪を作り出し、それを増やすように体の代謝を変えていき、体にさらに高エネルギーの食べ物を食べさせようとします。

しかし、多くの研究では、オスでもメスでも結果は変わらないだろうという推測のもと、オスの動物が実験に使われています。

この推測は、特にホルモンが関係する生物学的過程においては、間違っている場合もあります。

フォートコリンズにあるコロラド州立大学と、シンシナティ大学の研究者らが、オスとメスのネズミにコルチコステロンというストレスホルモンを2週間投与するという新しい実験を行いました。

その結果、オスはメスよりも、コルチコステロンによって体脂肪が増加しやすいという事がわかったのです。

この最新の調査は、2019年に発表された、ブラジルの研究者らによる研究を後押しする事となりました。

これらの研究者たちは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに含まれる保護効果が、細胞の中のコルチコステロンの感覚器官を変えるかもしれず、慢性的なストレスによる肥満の可能性を下げる可能性があるという説を発表しました。

日本の研究者らは、代謝を脂肪に統合させる体の変化に加えて、コルチコステロンを投与されたオスのマウスは、自らの意思で脂肪分のより高い食べ物を食べるようになり、肥満の原因となることを明らかにしました。

これらの研究では、ストレスホルモンを投与された(オスの)マウスは、コーン油をとても欲しがり、脂肪分の多い物を過剰なほどに食べました。

興味深いことに、冬に慢性的なうつが増えると言われているように、日が短く夜が長い環境下でコルチコステロンを投与したオスのマウスは、夏の時間と同じ環境下でストレスホルモンを投与した時よりも、より体重が増加する傾向にあるようです。

この生物学的な見識を、私たちが何ヶ月も耐えてきた、終息の見えない、パンデミックによるこれまでに経験したことがないような、慢性的なストレスへの、あなた自身の健康の改善のために生かすにはどうしたらいいでしょうか?

現在のパンデミックと同様、慢性的なストレスの原因をなくす方法はほとんどありません。

しかし、生物学的な影響を知ることができれば、何か行動を起こすことはできます。

これらの科学的な事実を知っていれば、、あなたのお腹が急にプヨプヨになり、体重が増えてきた時に、慢性的なストレスが原因かもしれないと考えることができます。

あなたが男性であれば特にです。

ストレスによる体重増加は冬の間に特に起こりやすいということも知っておきましょう。

あなたはストレスを抱えていると食べ過ぎてしまうという、生物学的に組み込まれた強い衝動を無視することができます。

食事の量を通常通りに抑え、体重が増えてしまうような強い食欲は忘れてください。

いちばん大事なことは、体重が増えてしまうという脅威に打ち勝つべく、防衛機能というあなたの能力を自然のままのやり方で、脂肪を燃焼させることです。

私たちの体が、野生動物に襲われたり、冬の飢餓に直面した時にそれを避けられない時と同じように、現代における慢性的なストレスの原因と戦うことはできませんが、ランニングマシンでトレーニングすることはできます。

エクササイズは余分な脂肪を燃焼し、筋肉と心臓血管の機能を強化して、慢性的なストレスに立ち向かうのです。