夢日記は、考えやインスピレーションの情報源?自分自身や世界についていろんなことを教えてくれる?

夢日記は、自分自身や世界についていろんなことを教えてくれます。

夢日記をつけることの価値は、行動そのものにあります。夢を書き残すことで、夢を思い出すことができ、深い自己認識をし、感情のバランスを維持します。夢を記録したのちに見返さなくても、このようなメリットを楽しむことができます。

   

しかし、見返すと、自分のことや世界についてのいろいろなことを知ることができます。

   

30年以上も夢日記を続けてきました。そして、常に発見があります。私は、個人的な洞察と他の人々の夢のために研究しています。年の終わりに、その年の1年を振り返り、パターンやテーマを研究します。最初の研究はデータベース化しました。今年の振り返りは、私の不安や興味を見事に具体化し、新しい研究のための多くのインスピレーションを与えてくれました。

   

この最初の研究はこちらからチェックできます。2018年の夢を2016年から2017年に見た夢と比較してみました。また、男性と女性の「ベースライン」でも比較してみました。そのベースラインは、一般の人々に「普通の」夢の源を提供するために様々な研究者によって集められた2つの大きな夢の集まりです。

   

それらの夢を分析するために、左側の列にリストされている8つのクラスの40の単語カテゴリーのSDDb2.0テンプレートを使用しました。各カテゴリーの右側にあるパーセンテージは、指定されたセット内の夢にそのカテゴリー内の単語の少なくとも1つの参照が含まれる頻度を示します。

   

2018年には、2016年と2017年にも見た、ある夢を見ていました。夢の平均長さは増加しています。(2016年には102、2017年には111、2018年には116)これは、検索する総単語数が多いという理由だけで、単語検索の結果が2018年のセットで少し高くなる傾向があることを示唆しています。これは、平均100語(女性)と105語(男性)の基本的な夢と比較しても同じです。

   

これを念頭に置いて、2018年の夢は例年に比べより、視覚と色への言及が多かったですが、他の感覚的知覚(聴覚、触覚、匂い、味)は同じままでした。表には表示されていませんが、2018年の夢の中で最も頻繁に言及されている色は、白、黒、緑、灰色、青でした。これら2つのカテゴリー(ビジョンと色)の両方について、私の夢は男性または女性のベースラインよりも多くの参考文献があります。

   

2018年に見た夢の感情への言及は、2016年と2017年と似ていました。男性や女性のベースラインに興味があります。

   

2018年には、夢は家族、そして一般的に女性への言及が増えています。2016年から2018年には、動物、ファンタジー、男性への言及の頻度は落ち着きました。ベースラインと比較して、私の家族の夢は比較的頻度が少なく動物は高く、女性はかなり高いです。

   

人間関係には3つのカテゴリーがあります。友情、攻撃、そしてセクシャリティ。そしてこれら全ては、2016年から2018年に安定しています。セクシャリティは、ベースラインよりも高いです。

   

私が2016年から2018年に見た夢の頻度とベースラインはすべて、ウィーキング/ランニング、フライング、そしてフォールのカテゴリで似ています。私の夢は、ベースラインよりも死への言及が少ないです。

   

認知カテゴリーには、思考、スピーチ、読み書きがあります。2016年から2018年にかけて一貫しています。ベースラインよりも思考の頻度が高いです。

   

文化のカテゴリーもまた、2016年から2018年にかけて著しく一貫しており、飲食や芸術への言及がわずかに増加しています。ベースラインと比較して、私の夢は学校への言及が少なく、アートへの言及が多くなっています。

   

4つの要素のうち、火と空気の頻度は私の2016年から2018年の夢とベースラインで一致しています。私の夢は、水と地球に最も言及しています。

   

このような分析では、もちろん深く知ることはできません。個人の性格を無視し、フローに基づいています。そして、少ししかみない夢のことは数に入っていません。それは事実ですが、単語検索分析は正確で、いくつかのテーマを明らかにすることができるということもまた事実です。

   

この初期分析の最も顕著な結果の一つは、ほとんどの単語カテゴリーでの一貫性です。いくつかの大幅な変化はありましたが、これらの変化は、空気と同じくらい多様な単語力カテゴリーにわたる強い一貫性という大きな文脈で設定しています。(2016年に3%、2017年に4%、2018年に4%)、感動(12、11、13)、怒り(7、8、8)素晴らしい出来事(4、4、3)肉体的な攻撃(16、17、17)飛ぶこと(7、6、7)そして服(18、19、21)個々の夢のように野性的で予測不可能なこともありますが、全体としては忠実にパターンに従っているように思われます。

   

一貫性の背景に反対して、変化は、何度も起こります。

    

2016年から2018年に色やビジョンについての言及が増加したことは、私の夢の報告の長期化に関連しているようです。私の報告が長くなると、私は、夢を明確に示すビジョンや色が必要になるようです。

   

私の夢では、家族の言及が普通に戻りました。2016年には家族が頻繁に出てきましたが、2017年にはほとんど見なく、過去最低記録でした。(2010年までの記録まで広げると)そのため、2018年は、ボーナスで帰ってきたかもしれません。私の現実世界のことも納得できます。2016年は、子供が家を出たので「からっぽの家」の始まりでした。

   

女性への言及の増加が実に興味深いです。男性キャラクターへの言及は、2016年から2018年までほぼ同じままでした(47、44、43)そのため、2018年の女性への言及の増加は、大きな男女格差(女性59%、男性43%)をもたらしました。ベースラインでは、実際には、男性への言及と女性への言及の頻度がわずかに高いため、2018年の夢の変動はさらに異常です。

   

この変化から何が言えるでしょうか?私の最初の考えは、政治的な考えでした。私の認識するアメリカ社会は、男性的なエネルギーにより支配されており、変化が起きるのは、より多くの女性を権力のある地位に導いた時だけです。私は、現実世界で女性の声を聞くためにこれまで以上に努力しています。そしてこれが私の夢のパターンに影響を与えたのかもしれません。

    

分析の他の2つの特徴は、私の好奇心を刺激します。

   

一つは、2016年から2018年までの芸術への言及の増加です(7、14、15)、そしてそれは、私がオレゴンシェイクスピアフェスティバルの理事会のメンバーとしての参加と関係していると思います。他の人も、芸術に関連する活動をすれば、芸術に関係する夢を見ると思います。また、芸術への言及が増えたのであれば、ビジョンや色についても増えるだろうと思います。

   

もう一つの特徴は、ここ3年の間ずっと宗教への言及が一貫して低いことです。(3、4、3)私は宗教関連の学校を卒業し、宗教に関する本も出版しているのに低いのは奇妙です。しかし同時に、教会へ行ったことないし、どの宗派にも属していません。私の夢は、現実に左右されるようです。私の勉強よりも、個人的な態度に影響されるようです。

   

最近の調査では、宗教的アイデンティティを説明するために次のカテゴリーから1つを選ぶようしています。プロテスタント、カトリック、東方正教会、」ユダヤ、イスラム、ヒンズー、仏教、モルモン、不可知論、無神論者、特になし、そして何か他のもの。私自身は「他のもの」に該当します。宗教的アイデンティティの一つではなく、非宗教的アイデンティティの一つでもありません。そして、宗教に「何か他のもの」として識別している人々は、他のグループと比較して夢に最も高い関心を持っているということが判明しました。これにより、「他のもの」と自分を定義している人への興味が高まりました。そして、夢を通してどのような態度をとるのかを知りたくなりました。

   

最後に1つ質問をしてみたいと思います。
これらのパターンは過去をどの程度反映しているのでしょうか。また、将来をどの程度反映しているのでしょうか。

  

同調性における非言語表示が、親密さを深める? 行動の同調が、親密性を高める非言語メカニズムとして働く?

社会的交流の中で、人は行動を調和させ、同調させる傾向にあります。たとえば、人は横に並んで歩くとき自発的に歩調をそろえたり、会話中に姿勢の揺れを調整させたりします。対人場面での同調に関するこの自発的な能力は、明らかに幼少期にルーツがあります。母親と乳幼児のリズミカルなサイクルは、自然とお互いに同調します。たとえば、母親と乳幼児の心拍数は、自由な遊びの中で調和します。対人場面での運動の同調における初期の数値上昇は、つながりと身体的安全の必要性を満たすことで、同調が自分の世話をしてくれる人との社会的交流を容易にするということを示します。 

 

 

単純な運動の同調性は、これまで知らなかった交流相手の中でさえ一体感を刺激し、増加する協力や同情と同じく、連帯感における高まる感情などの大きな社会的重大性を持つ可能性があります。ロマンティックな関係性という脈絡の中では、同調は長きにわたり成功した関係性を暗示するものとして考えられてきました。しかし驚くべきことに、これらの親しい関係性の特色(例:共感、知覚応答など)のような、経験豊かな親密性におけるさらに深い側面に関する同調の影響力については、まだ実験的に確立されていないのです。 

 

 

Journal of Social and Personal Relationships(社会的および個人的関係性におけるジャーナル)の中で最近発表された研究では、対人場面での運動の同調、交流相手間の簡単な運動周期行動の時間的隣接性により、他人と恋人両方の間で親密性の知覚が刻み込まれるかどうか調査しました。4つの研究で、私と同僚は関係の開始と発達における同調の親密性を増加させる機能を証明しようとしました。このような感情の文脈において、つながることの必要性は顕著であり、それゆえこれは、新しい知人や長期の親密な相手の両方を刺激して、コンタクトの準備信号を送る、非言語シグナルに頼ることを促す可能性があります。 

 

 

最初の研究では、同性の面識のない個人2グループがつながった前輪をもつ2台の固定式自転車の上で、お互いを見つめあいながらペダルをこぐ実験をしました。2グループの片方(「開示者」)は、ニュートラルまたはポジティヴな感情の出来事(例:仕事の昇進など)のどちらかを開示していました。もう片方のメンバー(「応答者」)はこの開示を注意深く聴くよう要求されました。自発的な運動の同調は、2グループのメンバーがペダルをこぐ速度間の同調性によって測定されました。この手順に従い、両方の参加者は彼らがお互いどれだけ親密に感じたか評価しました。開示する側の参加者は、応答者の応答性の知覚を評価し、一方応答する側の参加者は、開示者に対してどれだけ共感を得たか評価しました。同調性は、感情的な交流中のさらに深い親密性の側面と関連していましたが、ニュートラルな交流の中では関連性がありませんでした。 

 

 

2つ目の研究では、同性の他人の間で感情的な交流が行われている中で、同調性と親密性の因果関係を確立しようとしました。こうすることで、私たちは2台の固定式自転車のペダルをこいでいる間、2つのメンバー間の同調性を実験的に操作しました。具体的には、各グループの1つ目のメンバーは、最近起きたポジティヴな出来事を開示し、もう片方のメンバーはこのお話を注意深く聴き、この間彼らは自転車を同時に(同調した状態で)もしくは非同調的に(同調していない状態で)こいでいました。開示に従い、参加者は相互関係、パートナーの応答(開示)、共感(応答者)の知覚を評価しました。私たちは、運動の同調性が、自己申告の相互関係、共感およびこれまで知らなかった個々人の間で起きた応答性の知覚を高めることを発見しました。 

 

 

次の2つの研究では、同調性の効果が既に知っている親密な関係性を高めるかどうか、また、異性間の恋愛関係の中で、親密性における運動の同調性の効果を調査し、性的領域を一般化するかどうか調査しようとしました。3つ目の研究では、恋愛関係にある参加者は、協調的もしくは非協調的な足音のどちらかを聞き、パートナーと横に並んで歩いている姿を想像するように要求されました。この想像力を使うタスクに従い、参加者はパートナーにどれだけ親密さを感じているか、評価しました。 

 

 

調査結果は、パートナーとの想像力を使う同調の交流により、同調していない交流と比べて、このパートナーとの高いレベルの親密性につながりました。したがって、同調性は他人との間の親密さの発達に影響するだけでなく、進行中の恋愛関係においても親密性のレベルを高める可能性があるのです。この文脈において、同調性はパートナー間の団結を意味し、それにより、同調性はパートナー間の感情の結合をさらに強める可能性がある、親密性の相互交換に対し成熟した雰囲気を生み出します。 

 

 

4つ目の研究では、同調および非同調の条件の間で感じられる親密性の違いが、同調のポジティヴな影響または同調性の欠如によるネガティヴな影響のどちらかに影響するかどうか、明確にしようと試みました。このために、参加者は3つの同調性条件のうち1つを割り当てられました。それぞれ、パートナーと呼吸を合わせる、パートナーと呼吸を合わせない、コアラと呼吸を合わせる、としました。呼吸の交流に従い、参加者たちはパートナーにどれくらい親密さを感じたか評価し、性的空想を話術的に説明しました。それぞれの審査員が、親密性と性的欲求のテーマに関するこれらの談話を暗号化しました。結果は、参加者たちは別の条件下よりも同調条件下の方が、パートナーとのさらに高いレベルでの信頼関係を経験したことを示しました。さらに、パートナーとの同調性の知覚が、親密さの知覚と関連し、そしてこのことは、パートナーとの高まる性的欲求であると予測されました。 

 

 

全体として、これまでの研究に則して、私たちは他人や恋人との成立した同調行動(現実であろうと想像であろうと)は、4つの実験的研究を通して一貫した親密さの感覚を刻み込むことを発見しました。私たちは、親密さに加えて、成立または知覚された同調性は、共感や知覚の応答性(研究1と2)、関係性における親密性の実際のレベル(研究3)、パートナーへの性的欲求(研究4)などの、親密性を示す深い対人場面での感覚に関連しているということを示し、これまでの発見を前進させました。 

 

 

私たちの研究結果は、同調性が関係の開始または発達両方において必要な、基本的な親密性を高める戦略として働く可能性があることを示しました。これまでの研究では、情熱的で満足感を与える関係性を維持するための、新しく人を興奮させるような活動に参加する重要性を強調してきました。私たちの研究は、毎日の生活における普通の活動の間に行われる同調性の非言語表示でさえ、パートナー間の親密さの体験および性的欲求を深める可能性があることを示しています。

自殺行動の研究から学ぶ、10の教訓とは?

ここでは自殺行動の本質について、上位5つの教訓を挙げます。

 

 

1.自殺行動にはロジック(論理)が存在する

 

多くの生きがいを持っているように見える人の自殺については我々はしばしば当惑してしまいます。

 

私の経験では、治療の中でその人のことを深く知るようになると、実際のところ自殺は何か正気でない、非合理的な行動ではないということがわかります。

 

むしろ、少なくともその時にはもっともな理由があるように見える行動なのです。

 

このようなことがどうやって起こるのか、ということについて理解するために重要なことは、人々はそれぞれ異なった「セルフ・ステイト(精神状態)」にあるということを認識することです。

 

程度の差はあれど、ほぼ全ての人に関係があります。

 

気分が良い時のことを考えてみましょう。今度は、惨めで最低な気分のことを考えてみてください。気分によって、自分自身や世界、未来についての見方が全く違ってくると思います。

 

 

2.自殺行動は通常深い「サイケイク(精神的苦痛)」から逃れるために起こる。精神的苦痛は心の中の抑鬱的な悪循環から生じる

 

エドウィン・シュナイドマンは、自殺行動の経験がある人の多くが感じる、深く耐え難い痛みを表すためにサイケイク(精神的苦痛)という言葉を作りました。

 

何がこの痛みを引き起こすのでしょう?

 

大抵は次の3つのことが合わさっています。

 

 

1) 大きなストレスやトラウマになるような大変な状況、

2) 神経質な、または傷つきやすい気質、

3) ネガティブな感情をひどく嫌い、攻撃するような心の声、

 

 

です。

 

これらの要素が合わさり、恐ろしいスパイラルや抑鬱的なループにつながっていきます。

 

例えば、自分の仕事や愛する人を失ったとします。

 

そうすると、ネガティブな感情が溢れ出します。初めはその感情が嫌で、また、その感情に押しつぶされてしまうのではないかと怖くなり、避けようとします。

 

そしてそれを恥ずかしく思います(そのため他の人からも隠します)。

 

よって、その感情を感じないように何か他のことをして自分をごまかそうとします。

 

しかし、だんだんとその感情が耐えられないものとして押し寄せてきます。

 

この感情が恐ろしく、耐え難いものだという心の声は、ネガティブな感情ばかりを起こさせ、地獄に落ちていくような抑鬱的な悪循環に陥らせます。

 

 

3.「ネガティブ・トライアド(三重奏)」を引き起こす自殺「モード」が存在する

 

有名ではありませんが、ベックは私が「モード」という言葉を使って表した精神状態をいくつかに分類しました。

 

一つのモードは、特定の思考傾向を示します。

 

その思考傾向には、目標や知覚スキーマ、感情スキーマ、心の声の語り口が含まれます。

 

これらは、普段は隠れていて、ある引き金によって作動します。

 

私が見た多くの人は、普通は「大丈夫」だったり、少なくとも自殺をしそうな感じではありません。

 

しかしその後ストレスの原因となることが発生し、そのモードが発動します。

 

自殺モードにある時には、私が「ネガティブ・トライアド・ファンダメンタリズム(ネガティブな3つの原理主義)」と呼ぶものを示すようになります。

 

「ネガティブ・トライアド」は自分自身や世界、未来についてのネガティブな思考を表すベックの言葉でした。

 

私がネガティブ・トライアド・ファンダメンタリズム」という言葉で表しているのは、自殺モードにある人はこれらの分野について普段は持たないような、厳密で、徹底したネガティブな信条を持っているということです。

 

4.自殺モードは「ブラインダー(目隠し)」を生み出す。自殺願望を持つ人は今ある痛みしか見えなくなる

 

自殺モードは激しく耐え難い精神状態です。精神的苦痛を抱えすぎると、直接的に、また現実的に感じられるものは痛みそのものだけとなってしまいます。

 

未来は曖昧で暗いものに感じます。すぐに思い出せることは、以前に自殺モードにいた時のことだけとなり、その結果それが自分の世界の全てとなってしまうのです。

 

これにより、柔軟に考えたり、状況に順応することができなくなり、問題をうまく解決できなくなります。それどころか、痛みについて考えることに固執し、はっきりした解決法は自殺によって逃げることだけだ、と思うようになります。

 

5.孤独や恥、公私の分断が存在する

 

痛みは耐えられないものであるだけでなく、恥ずかしいものとして感じるようになります。問題をさらに悪化させるのは、精神的苦痛となるような深い傷を抱えた人は大抵孤独で、孤立していて、そういった感情を処理できるような深く、安全で、密接な関係を持たないことです。

 

よって、第一に恥や孤独を感じ、他の人に負担をかけることや「正気でない」、「弱い」、「不快だ」と思われることを恐れることにより、他人に痛みを隠すようになります。

 

これは、経験している痛みの根本には、人に大切にされていないことがあるという事実と関係していることが多くあります。

 

つまり、自分自身や自分が大切だと思う人から尊重されていないということです。これにより、自殺願望のような闇を抱える人が公私を「分断」し、そうすることによってさらに深い孤独感や疎外感を持つことになります。

 

客観的に見ればその人が尊重されているように見える場合であっても、この感情は存在し続けます。

 

この後もロジックは続きます。自殺行動を減らすための治療から学んだ5つの教訓を見ていきましょう。

 

 

6.自殺行動は直接ターゲットにすることができる

 

前NIMH局長のトーマス・アイゼルが2013年に精神医学上の問題を脳疾患であると言ったこととと全く逆になりますが、我々は自殺行動を精神行動の不適応であると考えています。

 

つまり、明らかに解決が困難を極めるようなものではあっても、実際には上で述べたような至極真っ当な社会心理的なプロセスに基づくロジックが存在しているのです。

 

もちろん、我々は抑鬱状態が脳の機能を変えることを知っています。

しかし眠ることや恋に落ちることも脳の機能を変えます。

 

そしてこれらは明らかに脳疾患ではありません。それらは単に、脳のロジックを行動の投下システムとして表現しているものです。

 

この観点から、抑鬱状態への変化は社会心理的シャットダウンをしている状態だと理解することができます。そしてそのシャットダウンというものは、その人が自分が絶望的で救いのない状態にあると感じ、心の中の悪循環に嵌ってしまった時に起こります。

 

重要なことは心理学的ロジックを理解し、それに応じて行動パターンとその後起こり得ることを修正していくことです。

 

とはいえ、我々も時には抑鬱的な症状を緩和するために抗鬱剤による治療を行うこともあります。しかし、抗鬱剤は鬱病の脳疾患を癒すことはなく、むしろネガティブな激しい感情を鈍らせます。(注:私は1型双極性障害や統合失調症は当然、精神疾患として概念化されていると考えています。)

 

7.治療はセラピストの存在と助けを必要とする

 

セラピストとして、我々はその人の個人的な部分に踏み込む必要があります。我々は彼らが持っている孤独感と絶望感に触れなければならず、その人の痛みに対して心から共感する必要があります。

 

患者に、自分の痛みを知って気にかけている人と深くつながっているのだと感じてもらわなければなりません。共感のない、うわべだけのアドバイスは無意味であり、すぐに忘れ去られてしまいます。

 

これは、患者が自分の痛みなど誰も理解できないと感じていることを考えれば、十分理解できることです。(余談ですが、この過程はセラピストにとって過酷で困難なものとなることがあります。本当に出口のないような、たくさんの絶望的で、傷ついた人たちの世界に入っていくため、私は未だに「代理トラウマ」と呼ばれるものを経験することがあります。)

 

8.自殺行動とその人がいる状況への共通理解が大切

 

私は、効果的な治療を始めるために重要なことは、患者に共通する自殺行動のロジックを理解することに重点を置いた、綿密なアセスメントであると学びました。

 

よくあることですが、もし自殺行動が精神的苦痛から逃れるための解決法であるならば、我々はそれがどこから来たものなのか非常に詳細に理解する必要があります。

 

患者は、自身の物語の詳細や自身の歴史の中でその痛みが生まれた鍵となる瞬間についての専門家です。私は心理学と感情の叙述と社会的孤立のフィードバックのループ、そしてその人の過去の出来事が現在にどのような影響を与えているかという分野の専門家です。我々はその人自身と自殺行動について、患者と一緒に全体像を作っていきます。自殺行動の具体的なアセスメントについては、デイビッド・ジョブズによって作られたCAMSをお勧めします。

 

 

9.抑鬱ループを短周期化する方法を学ぶことで、苦しみの底上げができる

 

2500年前、ブッダは、苦しみは痛みと抵抗しようとする姿勢、逃げたいという欲望と関係しているということを悟りました。痛みを嫌悪し、その痛みをコントロールできないがために自己嫌悪に陥り、その痛みから逃げられないことをさらに嫌悪することで、人は地獄の穴へと落ちていきます。

 

感情を直接コントロールすることはできませんが、トレーニングをすれば、感情への反応の仕方をコントロールできるようになります。立ち会い方、接触の仕方、苦悩の耐え方、自分自身への異なった語りかけ方、他人への異なった語りかけ方ができるようになります。

 

それにより抑鬱ループを短周期化することができ、苦痛に「底」を作り、そしてそれを上昇させていくことができるようになります。

 

ただしこの例えは、依然として痛みには底があり、時には深い痛みに対処する必要があることを意味しています。心理的苦痛は消えません。実際、特に鬱病の長い病歴がある神経質な気質の人にとっては、精神的苦痛は身体的苦痛のように避けることができないものです。しかし、トレーニングや効果的な戦略とテクニックによって、感情を抑え、痛みを軽減させることができるのです。

 

 

10.受容、統合、繋がりが長期治療の基本となる

 

その時はその言葉を知りませんでしたが、私は自殺未遂者との仕事の中で今私が呼ぶところのCALM MO原則に従っていたと思います。

 

自殺未遂者たちは、心の声も痛みの対処法も全体として逃げること、避けること、他の人から隠すことを目指していて、心がバラバラになっっているということに気づきました。

 

これにより、その人は他人に対して全て上手くいっているかのように振る舞うことと、深い絶望に落ちていくことの間で揺らぐことになります。必要なのは別のアプローチです。我々はその人が自分自身の気分や精神状態のすべてのピースを見ることができるように、メタ叙述的(あるいはメタ認知的)観察者としての側面(MO)を育てる必要があります。そして我々はそれらすべてのピースを統合し、繋げようとします。そうすることで絶望したり心が分裂したりすることがほとんどなくなります。

 

そして我々はその人が孤独や孤立、恥などの感情に対処するのを助けてくれるような誰かとつないでいきます。

 

 

 

他の3つの重要な発見

 

私はこの研究の中でたくさんのことを学びました。ここでは他に3つの重要な教訓を挙げます。

 

・1970年代に比べ、2000年に自殺未遂をする人ははるかに激しい症状を示している。そしてその後も自殺未遂をする傾向が強い。

 

・複数の自殺未遂をした前歴は精神病理学上の重要な指標となる。境界性パーソナリティ障害の診断よりもはるかに簡単で良い指標となる。

 

・研究に参加した人たちが直面している問題は普及性のあるものであり、DSM診断システムでは役不足である。

 

自殺行動については十分な研究予算が取られておらず、議論も不十分です。もし最近起きている悲劇によって、この難しい問題について建設的に議論する機会が増えることになるならば、少なくともこれらの悲劇的な損失は、他に苦しんでいる人たちのためになるかもしれません。